少し前、珍しく平日の夜に訪れたお気に入りフランス料理。
ある意味、ここでのディナーは戦いなので、次の日に仕事がある夜はなるべく行きたくないんだけど(!)、
ソノ気になったら予約してしまうのが、ワタクシの習性ですから。
ひさしぶりのグジェールバーガー。
香りよく美味しい。
白身魚とじゃがいものコロッケ。
ブランダード風?
いつもの赤ピーマンのムース。
蟹の身、ウニ、コンソメゼリー、キャビア。
間違いない美味しさ。
稚鮎のフリットとサクリスタン。
久しぶりの稚鮎の香りがうれしい。
ミンク鯨のカルパッチョ。軽く燻製にしてあります。
上にはアーティチョーク。
小さな一皿でしたがホントに美味しかった。
アーティチョークの香りは今でも鮮やかに口の中によみがえるくらい。
後のことを考えてガマンガマンの美味しいバゲット。
冷たいヴィシソワーズ、中はコンソメゼリーとソーシッソン。
味はしっかりあるのですが、しつこくないヴィシソワーズ。
前菜の天然平目のカルパッチョ。
写真では全く伝わっていないと思いますが、すごい量です。
平目が美味しすぎる…
食べても食べても減らないくらいたっぷりの平目がうれしい!
そして上の野菜も素晴らしい。
苦味、香り、野菜らしい味が濃いのです。
もうこれで終わりです、といわれても不思議じゃないくらい特大のパイ。
普通のお店ならこれで4人前くらいじゃないでしょうか。
渡り蟹と鮑がたっぷりのパイ包み焼き。
アメリケーヌソースでどうぞ。
切ったところには見えていませんが、鮑がゴロゴロ入っています。
パイが軽いので、大きさのわりにはサラッと食べられますのよ、ご心配なく。
さらに続くよ、豪華なお皿。
ここは志摩観光ホテルですか!?ってくらい。
添えられたグリーンピースが普通のグリーンピースの味じゃない。
緑の味が濃くてすごく美味しい。
ズッキーニ、にんじん、ビーツ。
全部の野菜の味が濃い。そして美味しい。香りも良い。
同じことしか言えないけれど美味しいものは美味しい。
ちなみにソースはフュメ・ド・ポワソンベースの赤ワインソース。
伊勢海老と一緒に食べると伊勢海老の味が勝るのですが、
ソースだけを味わうとちゃんと魚の味がします。
これを食べているときはメインのお皿のことが気になって(これを「心配」とも言う)、
20%くらい伊勢海老から集中が逸れているので、今、もう一度食べたい。
メインは松阪牛のフィレステーキ。
ホワイトアスパラと二種類のじゃがいもを添えて。
えぇ、また言いたくなりますわ、ここは志摩観光ホテルですか!?
フィレって聞こえたんだけど、フィレ肉とは思えないほどの霜降りっぷり。
このお皿も写真よりもずっとボリュームがあるのでなかなかの戦いでしたわ。
それでも最後まで美味しく食べさせるのは美味しさゆえ。
じゃがいもの美味しさは食べてみないとわからない。
良い意味で土の香りなのです。
シェフのブログでチーズがあまりにも美味しそうだったので所望。
期待を裏切らない美味しさでした。
これと美味しいロースハムでサンドイッチにしたら最高だろうなぁ。
すごくおしゃれに登場したお茶菓子。
マドレーヌ、キャラメル、マシュマロ、パート・ド・フリュイ。
マカロンもおすましさんで登場。
アヴァンデセールの青林檎のシャーベットは、
青林檎そのものよりもさらに凝縮したような、濃いシャーベットでした。
いちじくのタルトもすっごく美味しかった!
いちじくの味が濃厚なのはローストしているからだそうです。
アングレーズもアイスクリームも間違いない美味しさ。
しかし美味しいしか言ってないなぁ。
桑の葉に隠れたフィナンシェ。
フィナンシェのソースは桑の実。
いわゆるマルベリーですが、初めて食べました。
表現しにくい味。ベリーのような気もするし、甘い木の実のような香りもするし。
コーヒーで〆。
ミントの季節なのでミントティーと迷いましたが、この日はしっかりした飲み物が飲みたかったので。
以前よりも一皿減ったものの、相変わらず豪華な食材とボリューム。
このコースを最後まで余裕で食べられる人はよほどの健啖家でしょう。
比較するものではないかもしれませんが、船橋さんのお料理とどこが私にとって違うのか…
といつも考えます。
今回ふと思ったのは「塩」の使い方なのかな、と思いました。
作っているところを実際に見ているわけではないので、勝手な推察ですが、
食材の塩の付き方が違うんじゃないかと。
同じ食材、同じ器材を与えられて同じ料理を作っても、
出来上がるものは全部違ってくる。
そこが面白いところであり、その人の作るお料理が唯一無二のものになる。
突然のプレゼントだったタブレは別として、もう7年も船橋さんのお料理を食べていない。
そして再び食べることはないんですよね。